理系大学生がG検定に合格したので受験レポートを書いてみる
投稿日:2025-11-01
更新日:2025-11-01
G検定とは?どんな人におすすめ?
タイトルにもある通り、理系学生である私が2025年3月にG検定を取得したので、受験レポートを書いてみようと思います。
はじめに、あらためてG検定とは、どんな資格かを公式HPで確認してみます。
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの活⽤リテラシー習得のための検定試験です。 AI・ディープラーニングに関わる全ての方が受験対象です。 AI・ディープラーニングについて体系的に学ぶことで、「AIで何ができて、何ができないのか」「どこにAIを活用すればよいか」「AIを活用するためには何が必要か」が理解でき、データを活用した新たな課題の発見やアイデアの創出が可能になる、デジタル施策の推進に自信が持てるようになるなど、あなたのビジネスやキャリアの可能性が飛躍的に広がります。
(出典:日本ディープラーニング協会 G検定とは)
実際に受験してみた感想としては、特に新卒でIT業界やAI関連の就職を目指す学生や、未経験からIT転職・AIエンジニアを目指す人におすすめの資格です。
理由は以下の通りです。
- G検定はIPAが定めるITスキル標準(ITSS)で、レベル2に位置付けられており、企業からも評価されている。(参考:ITパスポートはレベル1相当)
- 松尾豊先生が理事の日本ディープラーニング協会が実施している試験で、業界での権威性も高い
- 有名企業でも続々とG検定の取得を推進しており、将来性が高い
最近では、三菱商事が管理職の昇格要件にG検定の取得を課したことも話題となりました。
三菱商事は2027年度から人工知能(AI)資格の取得を管理職の昇格要件にする。データ分析や業務管理でAIを使いこなす人材を増やして労働生産性を高める狙いで、いずれは役員を含む5000人超の全社員に資格取得を義務付ける。
(出典:日本経済新聞 三菱商事、AI資格を管理職の昇格要件に 全社員必修へ)
受験理由
私は情報系の学部生で知能情報学の研究室に所属しており、卒業研究や大学院進学に向けた入試勉強の一環として資格取得を目標に学習しました。
学習方法
学習期間については、約5週間、30時間程度をかけました。週6時間程度取り組んでいたことになりますが、マイペースに学習を進めていたため、きっちり毎日やるというよりは、波がありつつも当日に合わせる形で学習を進めていました。主に使用した教材は以下の2つです。
まず、こちらのG検定公式テキストを使用して、出題範囲の知識を網羅的にインプットしました。テキスト内には図なども豊富にあり、読みやすく理解しやすい作りになっているので、試験の全体像を掴むのに最適です。また、AIの処理に関する難しい数式等はあまり使われていないので、数学が苦手な方にも読みやすいと思います。
公式テキストなので出題範囲をちゃんとカバーしてくれているという点は安心でしたが、本番の試験に比べたら内容は若干簡単なものとなっているため注意が必要です。 そのため、この公式テキストだけでの合格はおそらく厳しいです。
公式テキストをある程度頭に入れることができたら、今度はこの問題集を使用し、知識のアウトプットに取り組みました。実際の本番に比べると問題の難易度は簡単ですが、ステップバイステップで進めていくにはもってこいでしたが、これだけで試験に合格することは厳しかったと思います。試験当日の出題レベルについては、後述します。
当日の出題内容・感想
結果的には**スコア75%**で合格できましたが、想定していた黒本の問題集のレベルよりもかなり難しかったです。 試験で初めて見る用語自体は少なかったですが、用語に関する理解が浅いと解けない問題が多かった気がします。 また、自宅で受験できるのでリラックスした状態で受けられるのが良いです。ただ、時間がかなりシビアで限られてますので、できる問題は諦めずに急いで解かないと間に合わないと思います。
実際のところG検定ってどうなの?
とはいっても、「本当にお金を払って受験する価値のある資格なの?」と思う方もいらっしゃると思うので、実際に受験した私が以下6つの観点からG検定を正直にレビューしてみたいと思います。
①実際に手を動かしてシステムを設定・構築ができる能力が向上するか ★★★☆☆
→Pythonだとライブラリで済んでしまうので直接的には実装力は向上しませんが、ライブラリの裏側ではどのようなことが起きているのかのイメージがつきやすくなり、コーディングはしやすくなりました。
②試験以外の場面でも役立つ、応用性のある知識が身につくか ★★★★★
→大学院の入試において機械学習の語句説明などの問題が頻出でしたが、過去問を見る限りG検定で得た知識が存分に活かせそうでした。
また、卒業研究においても機械学習を使う機会がありそうですが、「ここではSVMやクラスタリングなどを試してみて、再現率等の観点で決めよう。」のようにG検定の知識が発揮されました。
③業界での知名度 ★★★☆☆
→大学情報系の教授は「G検定」については存じない方が多かったですが、「松尾豊先生が理事の日本ディープラーニング協会がやっているディープラーニングの試験です。」と言えば、資格としての価値はなんとなく伝わっている気がしました。
また、G検定はITSSレベル2に位置しており、ITパスポートはレベル1と言うと「結構すごいね」と言われることが多かったです。
④申し込み時に期待していた知識や技術力が習得できたか ★★★★☆
→試験範囲は思っていたよりも広く、具体的な技術を学びたかった私にとっては大変で、特に社会実装やAI関連の法律などは厳しかったですが、実際にAI絡みの問題は社会的にも注目されており、それもまた無視できない大事な項であると思いました。
⑤受験費用に対する満足度 ★★★★★
→知名度は今はまだ正直あまりないかもしれませんが、書店に行けばG検定の書籍が結構あったりと、これからも知名度は伸び続けると思います。そんな中で、学生は受験費用が半額以上安くなるのでかなり満足しています。
⑥公表されている出題範囲・レベルが、当日の出題内容と大きな乖離がないか ★★☆☆☆
→出題範囲に感しては当日とは合っていたと思いますが、当日の出題問題のレベルはかなり高かったです。細部までのしっかりとした理解が必要であると感じました。
最後に
G検定は、AI・ディープラーニングに関する知識とリテラシーを幅広く網羅できる、まさに“AI時代の一般教養”とも言える資格です。エンジニアを目指す方にとっては技術的素養の証明となり、非エンジニアにとってもAIに関する会話力や判断力を身につけられる大きなメリットがあります。
特に、AI領域へのキャリアチェンジや就職・転職を考えている方には、G検定合格という実績が履歴書の差別化ポイントとなり得ます。
まずは基本知識を公式テキストと問題集で固め、合格者の体験談を参考に効率よく対策を進めましょう。
さらに詳しい情報や受験体験記は、G検定の資格詳細ページをご参照ください。また最新の試験日程や申し込み情報は、JDLA公式サイトをご確認ください。
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※本記事は、IT資格の受験体験記サイト「シカクマ」に投稿された情報より作成しております。